膀胱瘻の手術を受けた日|長すぎた待ち時間と決断【第三部④】

病気・治療の記録

膀胱瘻の手術を勧められたとき、すぐに決められましたか。

私は何度も「まだ大丈夫かもしれない」と思ってきました。

それでも、避けられないと思っていた日が、現実になりました。

※これは私個人の体験です。尿がまったく出ないときは、様子を見ず、すぐに医療機関へ連絡・受診してください。手術を受けるかどうかは状態によって異なるため、主治医と相談してください。

朝一番で病院へ

前回の救急搬送から数か月後のことです。

未明から、まったく尿が出ませんでした。

その頃は仕事がとても忙しい時期でした。

休むという選択肢が、頭に浮かばないほどでした。

正直なところ、

「また腹圧でなんとか排尿できたら、そのまま仕事へ行こう」

と思っていたくらいでした。

朝一番で電車に乗り、家族と一緒に病院へ向かいました。

いつもなら歩いて行く病院までの道のりも、その日はとても歩ける状態ではなく、タクシーを使いました。

緊急だったため、受付で事情を説明して救急外来へ向かいました。

管を使って排尿を試みましたが、うまくいきませんでした。

「ついに来たか」と思った

これまでも何度も尿が出なくなることを繰り返してきましたが、

「今日、手術になります」

と告げられたときは、

「ついに来たか……」

という気持ちでした。

やはり、膀胱瘻の手術には強い抵抗がありました。

前回は偶然排尿できたことで手術を回避できましたが、今回も選択肢は二つしかありませんでした。

自然に排尿できるのを待つか。

手術を受けるか。

あの救急搬送以来、私はずっと、

「次はいつ尿が出なくなるのだろう」

という不安を抱えていました。

「いつまた来るか分からない恐怖」と、「尿が出ない苦しさ」。

そこから解放されたい。

あのときは、そう思ったのです。

検査と待ち時間

すぐに手術ができるわけではありませんでした。

採血、心電図、レントゲンなどの検査が続き、結果が出るまで待たなければなりませんでした。

11時前になっても、まだ検査の途中でした。

ようやく検査が終わり、14時頃に個室の病室へ案内されました。

入院は1〜2日程度と聞いていたため、最初は大部屋でもいいと思っていました。

ところが、

「重症患者用の病室に入ってもらいます。それが難しければ個室になります」

と説明されました。

しかも、その日に限って重症患者用の病室は男性ばかりでした。

結局、急きょ個室へ変更することにしました。

結果的には、本当によかったと思います。

その時点でも、まだ排尿はできていませんでした。

病室のトイレに何度もこもりましたが、出ない。

痛くて苦しい時間だけが続きました。

たとえ女性だけの大部屋だったとしても、あの状態ではかなりつらかったと思います。

15時40分頃。

何度もトイレにこもっているうちに、いつものように腹圧に負ける形で、ようやく排尿することができました。

排尿のあと、それでも手術を受けると決めた

このときの排尿に伴う出血はかなりひどいものでした。

「今までとは違う」

そんな感覚がありました。

放射線の影響で膀胱自体が硬くなり、もともと尿をあまり溜めておくことができない、と説明されていました。

前回は排尿できたことで手術が中止になったこともあり、

「また今回も手術できなくなるのではないか」

という不安もありました。

しかし、この日は前回とは状況が違っていました。

その日の主治医は、

「今日は手術した方がいい」

と判断しました。

私も、その判断に納得して手術を受けることにしました。

手術室へ

16時30分頃、手術室へ向かいました。

手術は下半身麻酔だったため、意識はありました。

痛みはほとんどありませんでしたが、とにかく手術室が寒かったことを覚えています。

タオルを掛けてもらったり、温かい風を当ててもらったりしていました。

怖さもあり、私は看護師さんの手をずっと握っていました。

手術の最後には、膀胱の中を洗浄しているようでした。

17時55分頃、病室へ戻りました。

血圧などを測ってもらいながら、看護師さんと会話をした記憶があります。

下半身麻酔の影響で、足はしびれ、自分のものではないような感覚でした。

気持ち悪さもありました。

頭痛もありましたが、

「薬は4時間ほど経たないと飲めません」

と言われました。

しばらくは飲食もできず、麻酔が切れるまではベッドで安静に過ごさなければなりませんでした。

管が入ったことで、トイレで排尿を試みる必要はなくなりました。

面会時間は19時までだったため、家族は帰宅しました。

問題がなければ、翌日には退院予定でした。

家族には、「また明日、様子を見て連絡するね」と伝えました。

本当に長い一日だった

手術への抵抗がなくなったわけではありません。

それでもあの日の私は、

「これで少しは安心できるかもしれない」

と思っていました。

朝から夕方まで続いた、本当に長い一日でした。

そして、この日を境に、私の膀胱瘻での生活が始まりました。

それは、尿が出なくなる恐怖から少し距離を置けた日であり、同時に、新しい生活への戸惑いが始まった日でもありました。

何度も「まだ大丈夫かもしれない」と思ってきました。

それでも、避けられないと思っていた日が、ついに現実になりました。

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